2020/07/17 16:02

voice-6

「意識の風化」指先をたどってなぞるように花々を揺らすものは影の下に浮かぶものは大地を震わせるものは心を揺るがすものは鼓動を早めているものは奥に秘めた思いを掬い出す歪む水面の向こうから黒い影が波の輪...

2020/07/17 16:02

voice-5

「鏡について」始まりと反復の間で待ち伏せられている視界絶えず見つめることをやめないその視線から重層的に繰り広げられる迷路視線をイマージュが遮りある不透明な部分を生み出す中間的な空間表と裏 夜と昼その...

2020/07/17 16:01

voice-4

「影ははじめて漂う」湿気を含んだ呼気で弛む視界歯茎から抜ける音が部屋中で充満している混沌とした感情は色彩を持つことなく白と黒の間を行き来している薄いカーテンをめくるとわたしから滲み出たものが少しく...

2020/07/17 16:00

voice-3

なみだのしずく少女はいった深い深い森の中へ埋もれていくように奥へ奥へ足には枝が刺さり赤い血が滲み出ていたそれでも構わなかった少女はとにかく向こうへ行きたかった鳥はないた木々はうたった少女もないた小...

2020/07/17 15:59

voice-2

いと うつくしき ひとあなたの小さいながら力強い鼓動と私の鼓動は撚りあうように重なりあったこの不規則なリズムにはあなたの声が託されているからゆっくりと耳を傾けてみるあなたが 何の変哲もない 白い糸だっ...

2020/07/01 17:11

voice-1

あの森それは記憶の奥に存在する薄い記憶の被膜に被われた空間樹木の内側に母体の内側に少女たちが棲んでいる満月の夜にだけ降りそそぐ手の平に落ちゆく束ねてうまれる小さな命の欠片あの森で生まれては消える&nb...